チーフテン・チェアは、北欧デザインを世界に知らしめた巨匠フィン・ユールの代表作。現代家具における言わずと知れた名作中の名作です。オリジナル品の製作はニールズ・ヴォッダー、イヴァン・シュレクター、ニールス・ロート・アナセンの3工房、製作数は、ヴォッダー氏79脚、シュレクター氏10脚、アナセン氏150脚、累計239脚。
その中でも1脚だけ真性マホガニーと称される貴重な「キューバン・マホガニー」を使用し、フィン・ユールのスピリットを直々に受け継いだNiels Roth Andersen(ニールス・ロート・アナセン)製作の世界に一つしか存在しない希少なチーフテン・チェア。
ニールスが愛用していたロゴ「Sh EFTF」(ソーレン・ホーンの後継者)がしっかりと刻まれたこの時代の「チーフテン・チェア」は、フィン・ユールデザインに最も忠実で美しく仕上がっており、ヴィンテージファンからも高い評価を受けています。また、先端の彫刻のような繊細なラインやどの角度から見ても堂々とうっとりとするようなフレームの仕上がり、隙のないレザーの張りはニールス・ロート・アナセン製作ならではの美しさです。
ソーレン・ホーン(Sh)からフィン・ユールの製作を受け継いだ際にストックされていた貴重なキューバン・マホガニーで1998年アナセン氏が製作。自身のコレクションとして貯蔵し、自身により2010年頃にフルリペアされ、現在に至るまで大切に保管され市場に出回ることがなかった超希少品です。
オーク、チーク、ウォールナット、ローズウッド、マホガニーなどの樹種を中心に製作されてきたチーフテン・チェア。特にニールス・ヴォッダー(NV)で製作された79脚は、世界の名だたる美術館、各国のデンマーク大使館、コレクターの手中にあり、市場に出回ることは極めて希。しかし、それらは全て複数台製作されたもの。「キューバン・マホガニー」だけが1脚しか製作されなかったのです。その樹種だけでも貴重と言えるキューバン・マホガニー製のチェア。計り知ることができない無限の可能性を秘めた逸品なのです。
フィン・ユールが製作を許した最後のマイスター、ニールス・ロート・アナセンが1998年に製作。アナセン氏のロゴ「Sh EFTF」の刻印がチェアの下部に刻まれており、アナセン氏の刻印が譲渡時に添えた直筆サインが記されたサーティファイド・レターの原本が添付されています。
The Chieftain Chair (Sh EFTF)
Finn Juhl 1998 by Soren Horn,Denmark
Material:CUBA-MAHOGANY/SORENSEN LEATHER NATURAL Size:W102,D91,H93.5cm
[デンマーク出身の建築家・家具デザイナーのフィンユール]
Finn Juhl (フィン・ユール 1912-1989)
フィン・ユールは学校で建築を学びその後独自で家具をデザインしました。家具職人ではなく建築家であったフィン・ユール。従来の既成概念にとらわれない当時のデンマークデザインとは一線を画する作品を生み出しました。
従来のデンマークデザインの手法とは異なるフィン・ユールの作品は常識破りで異端とされ、当初デンマーク国内では評価されませんでした。最初にデザインが評価されたのはアメリカ。そしてアメリカでの人気がデンマークに伝わり、本国でも評価が高まっていったのです。
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